星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「地球ナンバーV7」第1、2巻 横山光輝

59.「地球ナンバーV7」第1巻 横山光輝 大都社スターコミックス 評価★★★★★
60.「地球ナンバーV7」第2巻 横山光輝 大都社スターコミックス 評価★★★★★

今更でなんですが、とにかく、生まれて初めて横山光輝をすごい!! と思った。と言うより、生まれて初めて、横山光輝の漫画をきちんと読んだ・・と言う方が正解か。いやあ、こんなに面白いと思わなかった。こんなにすごいんだという事実を、今までまったく知らなかったことがとても恥ずかしい。(><)

とりあえず、最初に接した横山作品が「地球ナンバーV7」だったというのは、幸運だと思っていいのかな? それとも、横山作品というのは、みんなこのぐらいレベルが高いのだろうか? 試しに代表作を片っ端から読んでみようかな・・・。

正直、この作品はほとんど名前も聞いたことがなかったのだけど、それでも十分すぎるほど密度が濃いし、内容に深みもあると思った。個人的には名作と呼んでいいと思う。なのに・・何故にこんなに無名なのだ??

少年漫画の基本となる美味しい要素が全て入っています。超能力を持った主人公とそれ故に起こる孤独な戦い。しかし、そういうちゃちな解説を入れると安っぽくなりそうでやめた方がいいか。

特に気に入ったのは、脇役のブレランド。主人公のディック牧も十分にかっこいいけど、ハンサムで、強すぎるなんてやっぱできすぎだから、読者の共感を得るにはブレランドが必要なんだね。彼がいるからきれいにバランスが取れている気がした。彼らは、二人で戦うからいいんだよ。

地球の植民地として発展した火星。ところが、そこに超能力を持つ人々が生まれ始めた。そして、火星には有り余る資源がある。能力も勝り、資源を持つ彼らが、いつまでも地球の言いなりになるのはおかしいと主張し始めた・・・。

この設定、そのまま「ガンダム」だよ。元ネタがここにあるのは間違いないでしょうね。富野監督は絶対にこの作品を読んでいると思う。
あと「スターレッド」にも近いけど、これは一目瞭然というところか。

たぶん、後続の様々な作品に影響を与えたと思われるこの作品が、日の目を見ずに埋もれているなんて絶対におかしいし、もったいないと思う。
もう一度、この内容を世に問うためにも再出版を希望。今川監督にアニメ化して欲しいな。・・・無理か?