小説・一般16.「精霊の守り人」 上橋菜穂子 新潮文庫
面白かった。
上から下へ、人から人へ、伝えていくことの大切さがテーマになっているのかな〜と思いました。特に「精霊の守り人」の伝承は、新ヨゴ皇国にとっての黒歴史で、隠さねばならないものだったから。政治家によって、歴史が歪められている、そう言う設定は、なんかリアルだなあ・・・と思いました。
それでも、細い糸で、民間の伝承にかろうじて伝わっている・・・。その部分が、なんか感動的でした。
あと、ぶつかってくるチャグムの思いを受け止めながら、初めて、自分を育てたジグロの思いを知るバルサ・・・という描写もよかったです。子を持って、初めてわかる親の愛・・・みたいなもんでしょうけど。いつか、チャグムもそれを知ることになるんでしょうか・・・。そういう風に思いをはせることの出来る物語でした。よかったです。