星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「小説スパイラル〜推理の絆〜」第2巻 城平京

小説・一般30.「小説スパイラル〜推理の絆〜」第2巻鋼鉄番長の密室 城平京 エニックス

「鋼鉄番長の密室」という歩くんの物語と、「殺人ロボの恐怖」という鳴海清隆ものと、2作品が収録されてます。基本、どっちも面白かった。

「鋼鉄番長」の方は、一応、この物語中の正史として、45年ほど前に熱い番長さんの時代があったという事実が、淡々と語られてますが、歩の言いぐさじゃないけど、これは本当に読んでいて辛かった。鋼鉄番長だの、ピストル番長だの、魔法番長だの出てきて、これが真面目な話だというから、読んでいて寒いし、何が悲しくてこんなものを読んでいるんだろう・・・という気分になったんだけれど、意外とこの話も、ラストまで読んだら感動したんです。

結局は、すれ違いになっている家族の物語に、歩が決着をつけたという形だし、どうやって落ちをつけるんだろう? という興味で引っ張られたので、ラストのカタルシスが気持ちよかった。

「殺人ロボの恐怖」の方も、タイトルはふざけているし、物語の内容もふざけているし、このトリックはあんまりだろうと思わないでもないんだけれど、最終的に清隆が歩を心配している描写を見せられただけで、なんか納得させられてしまいました。まあ、いいか。

十分に面白かったです。