星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ラン」 森絵都

小説・一般15.「ラン」 森絵都 角川文庫

自転車に乗って、あの世に行く。そこにいる死んでしまった家族に会いに。という設定は、なかなか奇抜で、発想が独特だなあ。と思ったけれど、自転車の返還と共に、自分の足で走らなければならないという状況にだんだん追い込まれて、進む方向がどんどん変わっていくという流れは、見ていても感動させてくれた。

向こう側の世界から、家族はちゃんと見守っていてくれる。だから、頑張れ。というメッセージが伝わる。

登場人物は、いろいろ漫画チックに描き過ぎかなあ、という感じもしたし(特に真知栄子)、リアリティの部分を壊しすぎじゃないかとも思ったんだけれど、その分、コメディタッチで楽しく読めました。

深刻なテーマを、軽く笑わせながら、読み通し、頑張っている主人公の姿に励まされた。いい本でした。よかったです。

ラン (角川文庫)

ラン (角川文庫)