読書44.「ガイア・ギア」第3巻 富野由悠季 角川スニーカー文庫
「組織のクルーにしてみれば、たった一人の少女の救出に、メタトロンが発進したということが、この新しい組織に、より明確な結束を作っていったのである」「自分が窮地におちいっても、メタトロンは助けてくれる。その認識は、日常的な感覚であるから、人に安心を与えた」
「ひとりの幼児の淋しさと過酷な体験を、解決することを忘れた周囲の人々は、ひとりの人間の鬱屈を育てたことを忘れて、その狂気に走ったことだけを問題にする」「そういったザツな神経を持った人々こそ、諸悪の根源かも知れない」
「アフランシの本当の目的は、違う人々を、メタトロンに参加させることでしかない」「アフランシは、メタトロンに集った人々が、同じような顔をしていることが気になったのだ。彼らは、どこか理性的で、整然とした人々で、理屈で反地球連邦政府運動を唱えて実行しているのである。それでは、すべてが教条的になって、お行儀の良いインテリの社会運動で終わってしまうと想像した」
「単純な人々の強権発動は、狭い法則を設定するだけで、それでは、独裁の強権発動でしかない」「アフランシは、人がもっと強力になるためには、単一の人々の集団では、可能性はないと推測した」
印象に残った言葉を、あえてメモ。
- 作者: 富野由悠季,大貫健一,伊東守
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1990/08
- メディア: 文庫
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