星の原休憩所

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「翔ぶが如く」第2巻 司馬遼太郎

読書15.「翔ぶが如く」第2巻 司馬遼太郎 文春文庫

物語の舞台である明治6年の状況まとめ。明治新政府に不満を持つ士族たちは、西郷隆盛島津久光に期待していた。政府を倒してくれるんじゃないかと。西郷自身も新政府に不満があった。こんな世の中にするために幕末を戦ったわけではないと。西郷は死に場所を求めていた。

西郷は死に場所として、朝鮮への使者になることを望んだ。維新政府は、朝鮮にも開国を求めたけれど、けんもほろろに断られ、国内では朝鮮の態度はけしからんと言う声が高まり、朝鮮撃つべしという声もあがってきた。もともと、攘夷を叫んでいた士族には怒りの行き先が必要だったし、西郷隆盛としては、亡き島津斉彬勝海舟が、日本と朝鮮、清国の三国で同盟を結んで欧米列強に対抗すべきという説を唱えていたので、それを実現したかった。朝鮮には強硬手段を持ってでも、開国させなきゃならないし、自分はそのために捨て石になって、使者としてたって、朝鮮で殺されようと思っていた。

それで、当時の太政大臣である三条実美に再三、使者になりたいと願い出て、困った三条実美は、苦肉の策で、天皇の勅をもらった上で、「天皇の許可は下りたから、改めて岩倉卿が戻ってから決める」と西郷をなだめた。

岩倉具視は、海外視察に出ていたけど、戻ってみたら、そんな状況で、海外視察組は、みんな征韓論には反対していたし、朝鮮を討ったら、清国が黙っていないし、ロシアも出てくる。日本の国力で戦えるわけはない。

何とかしないとと思って、活躍したのが伊藤博文で、西郷を止められるのは、大久保利通しかいないと、参議に加わってくれないか頼む。ほかにも、あっちに走り、こっちに走りで、協力を求めて、水面下で動く。

大久保は西郷と幼なじみで親友だし、西郷とは戦いたくなかった。島津久光の不況も買いたくなかった。木戸さんに頼んでくれと、何度も断る。それでも、最後には折れて、西郷と戦う決意をする。

私の理解した範囲で、書いてあったことをまとめてみました。