星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ヤング ブラック・ジャック」第11話

第11話「無残帳 その3」

ありとあらゆる二次創作に対して、「ここまではやっていいけど、ここから先は嫌だ」という許容範囲というものがあって、その線引がどこになるかは人によって違うというか、性格にもよるし、元の作品への思い入れによっても違うんだろうけど。

「ヤング ブラック・ジャック」というこの作品自体が、「ブラック・ジャック」のパロディみたいなものだし、「無残帳」編は「どろろ」のパロディみたいなものだと考えて、この場合は、私の「どろろ」や百鬼丸への思い入れが強すぎて、どうしても許せないところに来ちゃっている感じだ。

元の作品に思い入れがない人にとっては、たぶん、どうでもいいし、何でもありでいいじゃん? という感じになるんだろうけど。

しかし、私にとっては、百鬼丸はとても大切な人なので、この人を殺人鬼みたいに描いたのは、許容範囲を超えちゃっているんだな。自分の大事にしているものを汚された気分だ。いくらスターシステムだからと言っても、やっていいことと悪いことがあるぞ。みたいな反発が来る。言っても、詮無いことだとは思うんだけど・・・。

しかも、ここまでやった百樹先生に対して、「生きてください」とか言って、監獄から逃しちゃうのは倫理的にどうかと思うよ。そうやって野放しにしたら、結局、また殺人を繰り返すことになるじゃないか?

医学界が腐っているということを描きたかったにしては、物語がちゃちいし、どう見ても、これって、不幸な事故じゃん? 百樹先生がそこまでする理由付けとしてはあまりに弱すぎるし、誰が悪いと言って、「キミが代わりに手術をやってくれ」と頼んで、勝手に死んじゃった先生とか、故障させるだけだという話なのに、勝手にブレーキを効かなくしちゃった脇役の人とか、そっちのせいじゃないのか? という感じがするので、なんじゃこりゃ? 状態。

よく覚えてないけど、原作もそういう話だったかな? でも、ひどい話だったというものすごい嫌な記憶があるので、なんかもう、読み返すのも嫌なんだよね。気になるなら、確認するしかないけど。

原作だと、最後に百樹先生がベトナムにいったのは覚えている。けど、アニメ版ではなぜか、ミッドナイトの帽子(?)をかぶっていたので、タクシードライバーになったということなのかな? と思った。そこが夫が言っていた「アニメ版のほうがマイルド」という意味なんだと解釈してみる。

かわいそうなのは、婚約者とろろでしょう。やっぱり、ひどい話だなあ。と思う。