星の原休憩所

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「空色勾玉」 荻原規子

小説・一般43.「空色勾玉」 荻原規子 徳間文庫

勾玉三部作は評判がよかったので、文庫落ちをずっと待っていて、ようやく読んでみたんだけれど、こんなにも読むのが苦痛だとは、それこそ予想外だった。はっきり言って、つまんない。

みんなが言っていることだが、主人公の少女に魅力がない。と言うよりもむしろ、彼女のせいで、まわりがどれだけ迷惑しているのか、考えろよ、お前〜と言いたくなる。その割りに「水の乙女」だの「剣の巫女」だの言われて、大事にされているから、なんだか読んでいて、腹が立つし・・・。

最後のめでたしめでたし展開と彼女の脳天気なセリフを聞いて、これじゃ死んでいった奈津女が浮かばれないよなあ、と思った。奈津女と柾に謝れよ、と言う気分。

神話を元にしているから仕方がないとはいえ、死や哀しみや痛みを甘く考えているように見えて、どうにも納得がいかない。ファンタジーだからと言って、許せるものでもない。世界観だけはよかったと思えるが、単純にそれだけだ。うっかり全巻そろえてしまったので、続きも読んでいくけど、これじゃ先が思いやられる。主人公が変われば、少しは面白くなるだろうか? と思って、それに期待するしかない。

空色勾玉 (徳間文庫)

空色勾玉 (徳間文庫)