星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「灰羽連盟」第8話

第8話「鳥」

クウを失って悲しんでいる気持ちより、わけの分からない病気になって羽が黒くなってしまうことを必死で隠そうとする気持ちの方がずっと共感できた。
そうして「自分は出来損ないの灰羽だから」「灰羽ってなんなんだろう?」と悩みはじめるラッカの心境は、青春期を超えて、自分の存在意義を悩みはじめて、病気になっていく感覚として、理解できる。

灰羽の存在意義を問うことと、人間の存在意義を問うことは似ている気がするから。自分は出来損ないだと何度も思ったことがあるから、そんなラッカの気持ちはわかりやすい。きっと、そんな風に思ったことのある人は多いんじゃないかと思うので。多分、この作者もそうなんだろう。

その一方で、子供たちに呼びかける声と重ねて「あんまり遠くに行くなよ」と叫んだレキのセリフは胸を打った。「私がそばにいる」と。
それは壁を越えられない灰羽としてずっと残され続けているレキの自虐的な心境を表すものでもあるんだろうけど。レキは先に行けないから。先に行けないと思いこんでいるから。(この辺は続きが気になるなあ。レキとラッカはどちらが先に壁を越えるんだろう?)

でも、概ね、そういうレキの言葉は自分をひとりぼっちだと思いこんでいるラッカにはなかなか届かないんだよね。(こういうすれ違いの構図は、人間関係そのものだなあ)
鳥の導きで井戸に落ちたときはさすがにドキドキした。
骨を埋めて、墓を作るラッカの姿は感動的。雪まで降ってきちゃったし。さて、どうやってレキたちはラッカを見つけるんだろう?
続きが気になるけど、もったいないから、今日はここまで。楽しみです♪