星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「火の鳥」第4話

第4話「黎明編その四」

これは・・・。アニメファンの意見はどうでもいいから、手塚ファン、原作「火の鳥」ファンの意見を聞いてみたいなあ。(^^);

とりあえず、私の感想としては、まあ、こんなものじゃないですか? と、結構、寛容です。そりゃ原作に比べたら感動の度合いが全然だけど、黎明編を四話でやるという企画自体がそもそも無茶だし、そんな無理な制約の中でわりときれいに、感動的にまとめたと言えるんじゃないかな?

ナギと猿田彦の別れのシーンは完全にアニメのオリジナルだけど、返って感動的だったかもしれない。
原作ではナギもヤマタイ国のために戦うんだけど、よく考えれば確かに仇国のためにナギまで戦闘に参加するのは不自然だから、別れのシーンをその前に持ってきて猿田彦のために戻ってきた・・という流れの方が自然なのかもしれないなあ。(その割には足手まといにしかなっていないのが残念だけど・・)

猿田彦のために火の鳥を確保に向かうナギが結構健気で、そのあたりにちょっとうるる・・ときてしまったので、すべてを許す気になりました。(^^);

ウズメの役割はちょっと弱いかな? 子供のこともさらりとセリフで流しちゃっているのがもったいない。
その辺は弓彦も同様。原作の方がもっと活躍しているのになあ。やけにあっさり死んじゃいましたね。木の上の弓彦を殺すために、わざわざ兵士が木に登っているところがご愛敬。無理にシーンをつなげるから・・。(^^);

ラストを締めるのはタケルだけど、感動シーンのはずなのに印象が弱いのが残念。
前回の話数で、地下から出てきたグズリが崖を見上げて「この崖はとても登れない! 俺たちは一生、ここに閉じこめられて死んでいくんだ!」と絶望して嘆くシーンの印象が薄いので、その絶望から立ち直って深い穴の底で子供達を育てていったグズリとヒナクの気持ちが伝わらないんじゃないかな?

「あの上には何があるの?」「世界が・・・」「世界ってなあに?」
穴の底で生まれた子供達がそうやって成長し、そこから出るために旅立つ。その切なる願いが伝わらないと、いきなりの火の鳥の「生きなさい」も唐突にしか聞こえないんじゃないだろうか? まるで火の鳥の力で崖登りをしたように見えちゃって、そのへんにはちょっと違和感が残ったかも・・。

真正面から見た火の鳥はちょっと不気味に怖くて、効果的だったと思います。