星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

大友克洋監督「スチームボーイ」

23.大友克洋監督「スチームボーイ」(日本・04)

シータの代わりにラビニアの登場する、大友克洋版「天空の城ラピュタ」。テーマ的には「ジャイアントロボ」。

「どうすればいいの、おじいちゃん!」「どうすればいいの、お父さん!」とどっちにもつけずに無力な形で叫んでいる主人公の姿が印象に残りました。

祖父−父−息子の3代にわたって科学者とは因果な家系。ただ、科学の現在、過去、未来の比喩になっているので、言いたいことはよくわかったような気がします。

大人がみんな自分勝手で、自分に都合のいいことばかり言ってくるから、誰を信じたらいいやら、困ってしまう。しかしまあ、得てして世の中なんてそういうものかな?

場面ごとのつなぎが少々「つぎはぎ」っぽく見えちゃったので(特に「ここはロンドンのど真ん中なんだよ!」とつっこみが入るあたり)、映画としての完成度が高いとはあんまり思わないんだけど、勢いで見せているから相応の見応えはあった。とにかくよく動くので、迫力がある。

万人にお勧めとは言いにくい作品だけど、少なくとも私は好き。十分に楽しめたし、面白かった。
ちょっとでも見たいと思っている人は、TV放映やレンタルを待たずに劇場へ行った方がいいと思う。この動きの大迫力は、劇場で見てこそ・・と思うので。