Karte09「もらい水」
シャラクのフィギュアとTV画面の「マグマ大使」が微笑ましい。
ずいぶんエピソードを付け加えて原作をアレンジしているけど、若い頃のお母さんと息子のエピソードを繰り返し挿入したのは、よかったと思います。
私自身があの若いお母さんと同世代になるので、なんだかあのおばあさんの末路が他人事に見えない。目の前のかわいい息子もいつかあんな風になっちゃうかもしれない・・・という部分で感情移入できました。まあ、私に息子はいないんだけど、そう思ったお母さんたちも多かったんじゃないかな?
都会の住宅事情の厳しさと老人問題まで描いて、いろいろ考えさせられました。老人に一部屋とられるだけで苦しい・・・という住宅事情は、確かに現実的な問題でしょう。ちょっとお嫁さんを悪く描きすぎているのは、引っかかったんだけど、同居は嫌だという気持ちはわからなくもないしね。結局、これはお嫁さんの問題でもあるんだ。
根本的な問題の解決は提示されていないんだけど、行き場を失った老人たちの気持ちを考えろ・・・という点では身につまされる話でした。よかったです。