星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

コラム2 物語の役割について・・・。

私は基本的にワイドショーの類は一切見ないので、もうそろそろ終わったネタかも知れないし、今まで時事問題に触れるのは避けてきたんだけど、事件自体がオタクと無関係ではないので、試しに触れてみることにする。

とりあえず、監禁ゲームに熱中していた青年が、少女を監禁して首輪をつけていたと言うことで・・・。彼がゲームの影響で勢いそれをやってしまったのは間違いないと思うんだけど。

私が興味があるのは、何故彼が監禁ゲームにこだわったのか? という部分で・・・。つまり、そんなゲームばかりに入れ込むとしたら、もしかして、彼自身の内面こそが、監禁されて首輪をつけられ、「ご主人様と呼べ」と言われていたんじゃないかと思いついたのだ。

過保護な家庭で友達とも遊ばずに閉じた生活をしていた少年だったと聞いたので、自分自身の投影をゲームの中に見たんじゃないかと? だから、自分が心理的にされていたことを他人に対してはね返したんじゃないかと、そんな気がしたんだ。

前にも書いたかも知れないけど、ゲームに限らず、アニメでも小説でも、物語には孤独な人間を癒す効果があると思うのだ。一人でいるときに、物語を読むなり見るなりすれば、そこから慰めてもらったり、励ましてもらったりすることが多々ある。自身の鬱屈した心を、思い切り暴れ回る主人公を見ることによって、すっきりさせることもあるだろう。

だけど、物語にできるのは一時的に相手の心を癒すことだけだ。物語から離れてしまえば、厳しい現実が戻ってくるわけだし、孤独な人間を完全に救うことなどできはしない。

結局、人間を救えるのはすぐ傍にいて隣で話しかけてくれる人間だけだと言うことだ。物語にできる役割というのは、それを読者や視聴者に教えることだけだと思う。

物語の癒し効果がここまで世の中に蔓延しているというのは、危機的状況だと思うし、犯罪者がオタクから出てくる可能性というのは、今後もあると思う。オタクだから無害だという神話はもう崩れているんだから、それを主張しても無理だと思う。ネット上で一番過激な発言を繰り返しているのはオタクじゃないか? という気もするので・・・。

むしろ、子供が一人で本ばかり読んでいるのなら、その気持ちにもっと早く身近な人間が気づいてあげるべきだと思う。どんな物語に夢中になっているのか、それを読み解くことができれば、彼らの問題点にいち早く気づくことだってできるはずだし、それは、そんなに特別なことじゃないと思うんだが、違うだろうか?