星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

コラム5 女の子のキモチ・・・。(その2)

ここで、ひとつ告白しておく。恥ずかしいことなので、あんまり他人に言うことでもないのだが、同じような想いを抱える女性は他にもいるかも知れないので、あえて書いてみる。

つまり、私は31歳で現在の夫と知り合うまで処女だったのだ。もともと男性に対して積極的に声をかけられるタイプでもないし、また女としての器量もあまりよくなくて、どちらかといえば病気に見えるキモオタ女だから、男の方も私にはほとんど近づいてこなかった。むしろ、私が近づくと、男は気味悪がって逃げてしまう・・・ぐらいなもので。(−−);

だからつまり、30歳を過ぎるまで処女でいた女性の中にあるSEXに対する欲求不満というのがどういうものなのか、私には多少なりわかるつもりだ。

ところで、葵ちゃんである。そんな私の目から見て、彼女はかわいそうなくらい性的な欲求不満を抱えた女性に見えた。(10代の女の子の取る態度には見えなかったけど)。初恋の相手を長い間思い続け、覚悟を決めて家を飛び出して、薫の元へとやってくる。そして、彼女は最初からはっきりと「私を妻にしてください」と薫を求めてくるのだ。他の男ではなく、彼女にとっては薫だけが、彼女の夫となるべき人だった。

薫は、そんな彼女の気持ちを受け入れて、彼女を恋人として迎え入れるが、その若い恋人たちの前には「家」という障害が立ち塞がっている。薫は、彼女を愛していながら、抱くことができない。「箱入り娘」に傷を付けたら、それは彼女の家をそのまま背負うことになってしまうので、「家」から逃げた男である薫は、その決心が付かずに葵ちゃんを抱くことが許されないのである。

葵ちゃんは、だからこそ仕方なくSEXの代償行為として、薫と添い寝をしたり、しがみついて抱きしめてもらったりしているのだ。だけど、彼らの関係はキス止まりで、決してそれより先に進むことはない。

お互いにSEXを望んでいながら、決して結ばれることのない恋人同士。互いに傷を持ち、相手が欲しくても得ることができずに苦しんでいた男女が、やっと親や家と立ち向かう決意をして、最終的に結ばれる。それが「藍より青し」の世界観であり、その姿に私は感動したのである。

そういう意味で、CLAMPの「ちょびっツ」のラストは確かに主人公に対して残酷だったな・・・と私は思っている。これはおまけ。

【注】この場合の「藍より青し」はアニメ版をさします。原作ではどういう展開になっているのかまったく知らないので、違っていても責任は取れないかも?