星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「功名が辻」第16話

第16話「長篠の悲劇」

これはちょっとシナリオに無理があるなあ・・・と感じたのは、自分が旭の立場だったら、一豊と千代の夫婦を絶対に許さないだろうなあ・・・と思えること。死んでお詫びをされても困るだけだが、二度と会いたくないと言うか、顔も見たくない・・・ぐらいには思うだろうよ。それが自然だと思う。

千代が旭を慰めようと一生懸命になる気持ちはわかるが、これはどうしようもないよ。興味本位だったダンナの方にミスがあったとか、一豊と秀吉に落ち度はなかったとか、無理矢理な設定を作った上で、千代の変な顔でまあ許しましょうという展開に持っていったみたいだけど、旭の立場として、あんなに反対したにも関わらず夫を殺されたんだから、それで納得できるってもんじゃないと思う。しかも、秀吉様は、代わりの夫をあてがって、それでごまかそうとしているんだし、そりゃいくらなんでも無茶。これが史実通りだとしたら、とてもコメディでごまかしきれない悲劇だと思うよ。

前回の展開と比べて、どうも演出に無理を感じるんだけど、もともともっともっと悲劇的な展開にする予定を急遽取りやめたんじゃないのかな?? という感じがする。

一豊と千代は、旭たち夫婦を悲劇に追いやった罪を永劫に背負いながらも、生きていくしかない・・・という話の方が、自分としては好きだな。

タイミングとして、そこに子供が生まれるから、親としては死ぬわけにはいかなかったわけで、旭としても彼らを殺すことは出来なかっただろう。この材料をもっと上手く使えば、もっともっと感動的な展開になったような気がするんだけど、どうしてそれが出来なかったんだろう?? かなりもったいない。

ところで、長篠の戦いだけど、柵を作ってその内側から馬で向かってくる敵を鉄砲で攻撃・・・というのは、戦争とはいえ、単なる大量虐殺に見えて気持ち悪かった・・・。本当にそういうことをしたんだろうから、その事実が怖い。

まあ、弓矢による攻撃も似たようなものだし、時代が進めば、火炎放射器とかもあるわけだから、戦争って嫌なもんだと思います。どうせ戦うなら、馬上で一騎打ちとかやって欲しいよな。そういうのなら、実力次第だから、まだ許せる感じがあるんだけど、大量殺戮はだまし討ちに近いから卑怯なやり口のように見える。結局は人殺しなら、五十歩百歩かも知れないんだけど・・・。