星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ブレイブストーリー」宮部みゆき 姫川明

コミック40.「ブレイブストーリー」 原作:宮部みゆき 漫画:姫川明 小学館てんとう虫コミックススペシャ

姫川明の名前に惹かれて、買ったけど、これは思わぬ収穫でした。さすがだわ〜、姫川先生。よくもまあ、あんなやぼったい原作をこうもきれいにまとめたものだと感心しました。

原作はずるずると無駄に長い割に、主人公のワタルと、もう一人の旅人であるミツルがちっとも絡まないので、あんまり面白みがないんですよ。大体、この二人ってちっとも「友達」という関係に見えないので、対決しても白けるだけだし、特にワタルに感情移入できないのが致命的で、悪役のはずのミツルの言い分の方がよほど正しいように見えてしまうんだな。それじゃ、逆効果でしょう。

その点で、このコミック板は、二人の関係性をしっかりと描いてきて、どうしてワタルがミツルを好きになったのか、ミツルがどうしてワタルを助けたのか、きちんと描き込んであって、なかなかドラマチックです。特にラストシーンには、感動しました。

ただ、これは微妙なところなんだけど、原作を知っていると、あの無駄に長ったらしいエピソードをよくぞここまできちんとまとめたと、その技量にこそ感心するんだけど、逆に原作を知らないと、単なる「説明不足」しか見えないんじゃないかという危険性もあるんですよね。そこはものすごくもったいないという想いがしました。

まあ、私はまだ原作も読書の途中だし、後少しで最終巻を読み終わるところまできたので、このコミック版以上の感動が得られるかどうか、ちょっと興味もわきました。もう少し頑張って読書に勤しもうと思います・・・。

なにしろ、展開があまりにあんまりなので、ちっとも進まないんですよ・・・。どうしてこう、すべてがすべて、主人公にばかりやたら都合がいいんだか・・・。