星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「クレヨン王国の十二か月」 福永令三

小説・一般17.「クレヨン王国の十二か月」 福永令三 講談社文庫

タイトルだけは知っていたけれど、子供の時に読み損なった本。有名なタイトルだから、読んでみようと買ってきました。アニメ化もされているらしいけれど、アニメの方は未見です。

12色のクレヨンが大臣となって、1年12ヶ月のそれぞれの月を治めている。ゴールデン王様が、シルバー王妃に腹を立てて、逃げ出してしまったので、主人公のユカは、シルバー王妃と共にゴールデン王様を捜しに旅に出る。

12の色が、12の月に該当する・・・というのは、いかにも子供が喜びそうな設定。1月は白、2月は黄色、3月はピンク・・・と、それぞれの町で、それぞれの色に合わせた登場人物たちが活躍するのは、面白かった。色に合わせたキャラクターや設定を作るのは大変だと思ったけれど、細々とよく作られている。

個人的には、シルバー王妃のわがままぶりが、結構、効いたかな? シルバー王妃には、王様が呆れてしまう12の欠点があると言うんだけれど、「ちらかしぐせ」「ねぼう」「人のせいにする」「うたがいぐせ」「お化粧三時間」のそれぞれのエピソードが、ちょっとぐさっと来るものがあったりして・・・。

12の町を旅しながら、王妃様の12の欠点を洗い出していく、ちょっとした短編集という感じですね。

小学校低学年向けに書かれた内容だけれど、そのぐらいの年齢の子供がいるお母さんにもオススメかも知れません。30代の女性が読むと、いい子のユカよりも欠点だらけのシルバー王妃の気持ちの方が、ことのほかよくわかるかもしれないから・・・。