「機動戦士ガンダムSEED DESTINY スペシャルエディションVOL.4 自由の代償」
「戦争のない世界とはどんな世界なのか?」「何故、戦争は起こるのか?」というテーマを、きちんと絞って、見事にまとめ上げたという感じがしました。
TVシリーズではバタバタしていて、わかりづらかったテーマの部分も、きちんと整理されて、見やすくなっていた感じ。いやあ、面白かったです。
「望むから戦いが起こる」「欲するから人は争う」
それを全てなくしてしまえばよいという、完全管理社会。議長のいうことが正しいと感じるだけに、空恐ろしい未来社会の構図でした。
デスティニープランについても、TVシリーズより丁寧な説明をしてきたし、議長の「従わないものは粛正」していくという構図もよりわかりやすかったです。その分、ミーアの悲劇が辛く映りました。
個人的には、二人のラクスが現れたときの、人々の混乱ぶりが面白かったです。カリスマ性のある人物の言うことだけを信じて、その通りに動く危険。
議長のいうことは正しい。ラクス様のいうことは正しい。そうやって、もてあそばれてきた群集心理の危険性を結構、手厳しく描いてきたんだなあ・・・ということで。
ただ、やはり難点をあげるなら、この物語がレイを救えなかったことだろうなあ・・・と思います。一番明日を欲していたのは、レイ・ザ・バレルだったろうに、彼を助けられなかったことだけが、非常に残念。やっぱ、キラ・ヤマトが救わなきゃならなかったのは、レイだったのではないか? 彼はクルーゼを救えなかったのだから、代わりにレイを助けるべきじゃなかったのか・・・という思いが残りました。この辺は、次回、劇場版への宿題という感じもしますが、どうかな〜?
「自分を知り、人を知り、明日を知る。それこそが、繰り返される悲劇をなくす唯一の方法です」
議長のセリフは、やっぱ的を射ていて、すごいなあ・・・と感心しましたよ。この言葉をかみしめなくてはならないんだと、改めて思いました。
わかりづらかったTVシリーズを、きれいにまとめ直して見やすくしたことは、評価に値すると思います。個人的にはスペシャルエディション版だけ、DVD・BOXが欲しいと思ってますが、どうかな〜?
TVシリーズを見た人にも、見ていない人にもオススメだと思います。よかったです。