小説・一般17.「あかね色の風/ラブ・レター」 あさのあつこ 幻冬舎文庫
面白かった。確かに「バッテリー」の原型は、この作品かもしれない。
走るのが好きだった少女。長距離を走りたいと思ったから、陸上部に入った。でも、先生にはハードルの方が向いていると勧められて・・・。
どうしてもっとはっきりと1000メートルにこだわらなかったのだろう・・・という思いを引きずっていて、親にも先生にもどこか反抗的になっている子供の気持ちというのが、非常によく伝わります。親も先生も当たり前のように押しつけてくる価値観。それへの反発。
「バッテリー」だと、少年の目線で、もっとはっきりと、「自分の力を信じろ!」と主張してくるけど、これは少女の視線で描いているから、より主人公の気持ちに感情移入しやすいと思いました。
ささやかな少女たちの友情を描いた短編でよかったです。オススメです。