星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「母をたずねて三千里」第9話

第9話「ごめんなさいお父さん」

この作品におけるお父さんのキャラ設定は、絶妙だなあ、と思うんだけれど、なんというか「強い父親」という感じじゃないんだよね。どちらかというと、「弱々しくておとなしい人」という印象を受ける。だから、子供にもなめられちゃうんだろうけど、それでいて、頼りないわけでもなく、やるときはやる人で、その辺のほっそりしたキャラデザインと、川久保潔の柔らかい声の感じが、なんだかぴったりだなあ、という感じがする。

だめな人でもないんだけれど、あんまり強く言える立場でもないんだ。優しい人で、優しすぎる故に、見ているこちらがどこかイライラしてしまう感じかな〜。その分、マルコの「大人なんか!」という怒りがよく伝わります。

自分ももっと一人前に働きたい、お金が欲しいと頑張るマルコだけれど、バイト先の主人は、もはや自分の仕事はないんだと言って、マルコをくびにするし、働いている友達はけがを押して仕事に出ている。無理してでも働かないと、すぐに仕事なんかなくなっちゃうんだという厳しさ。ペッピーノさんも稼ぎが良かったときには調子のいいことをいっぱい言うけど、今日はダメだったらしく、飲んだくれている。

まあ、働くことの厳しさを突きつけてくる作品になってます。今の不況な空気にぴったり来ると言えばそうかもしれない。

そんなマルコが父親が働いている姿を見て、自分がやってきたことを後悔する話で、なかなか感動的な展開でした。父親の名誉挽回で、いい話だったと思います。