星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「スローモーション」 佐藤多佳子

小説・一般50.「スローモーション」 佐藤多佳子 ピュアフル文庫

なんとなく、桜庭一樹の「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」を思い出した。主人公の前に、変わり者の少女が現れて、惹かれていく過程が似ているのか。少女が抱えているもろもろの不満に何となく共感できるところとか。最終的に、砂糖菓子の弾丸では、何も打ち壊せなかったというあたりとか。

少年少女は、ただただ無力。リハビリをさぼっていたニィちゃんが、とっさの時に走れなくて、転ぶしかなくて、笑ったシーンが印象に残りました。

少しだけ前向きになった余韻を残すラストは、結構、気に入ってます。ニィちゃんはいつか、周子を迎えに行くのだろうか? と何となく思った。