星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「グラン・ローヴァ物語」第4巻 紫堂恭子

コミック27.「グラン・ローヴァ物語」第4巻 紫堂恭子 角川書店あすかコミックスDX

「何が起こるのか、もうわしにも見当がついているよ。でもね、ほんとに大切なのは、何が起こるか知ることじゃない。知ったあとで、どうするかなんじゃ」

「ねえ、サイアム。わしらよく魚や鳥を食べたけど、魚に恨まれたことあるかね?」「魚は水の中で気持ちよく生きてたんだと思うけど、わしらが食べるのを許してくれてるんじゃよ。相手がいい人でも悪い人でも関係なしにね」

「わしはいつでも忘れたことないよ。たった今、こうして息をしていられるのも、世界中全部が、生きることを許してくれてるんだってね」

「許してくれるからこそ、傷つけてはいけないのだと、こんな、こんな簡単な真実を、ほんとうに人間は忘れずにいられるのだろうか? ほんとうに・・」

印象に残った言葉を、あえてメモ。問いの答えは、疑問形で終わっていたんだよなあ。今にして思えば。きれいに終わっているように見えて、実は怖い物語なんじゃないかと。星の力の結晶、銀晶球の持つ巨大な力を手にしたとき、人間がどう使うのか、その問いかけの物語。

そう言う問いかけの物語は、SFやファンタジーにいくらでもあるし、ずいぶん昔から警告だけはなされてきたのに、人間ってダメだな。と、ちょっと思った。

グラン・ローヴァ物語―決定版 (4) (Asuka comics DX)

グラン・ローヴァ物語―決定版 (4) (Asuka comics DX)