星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

ブラッド・バード監督「Mr.インクレディブル」

映画8.ブラッド・バード監督「Mr.インクレディブル」(アメリカ・04)

素晴らしかった♪ これは、手放しで人に奨めたい映画かも知れない。面白かったです!

かつてスーパーヒーローとして活躍した男がいた。だけど、裁判で訴えられ、ヒーロー職は廃業。今はしがないサラリーマンとして、自分の能力を隠しながら、細々と生活を続けている。結婚して、家庭を守るフツーのお父さんとして暮らしている。かつての栄光は、自分の部屋に飾った数々のポスターの中。(この人、自分の若い頃の姿を映したポスターを部屋に貼りまくっているんだよねえ。それがなんか哀愁を誘いますわ)

昔、自分はヒーローだった。なのに今は・・・。というお父さんの哀愁が胸を打ちます。正義を持って人を助けたいと思いつつも、会社の上司の命令には逆らえず、不正にも見て見ぬふりを続けなきゃならない。(しかし、上司に怒られている脇で、ちょっと窓の外を見れば強盗事件が発生しているとは、さすがアメリカだと思った)

どうしてもかつての栄光が忘れられず、「もう一度、昔のように活躍してみない?」との誘いを断り切れなかったお父さんが、敵の罠にはまっていくわけだけれど、その悲哀が十分に伝わった分だけ、これは感動させてくれる映画ですよ。

そんなお父さんを助けたいとして、残された奥さんや子供たちが活躍する姿には、なんか涙ぐましいものがありました。彼らにも、自分の能力を思い切り使えない。みんなの中で、こっそりと隠れていなきゃならないという苦しみがあったわけで、持てる能力の限りを尽くして戦う姿を見せた後編のめまぐるしい展開が、非常に面白くて、見応えがありました。

次から次へとスピーディな展開が続き、いろんな皮肉を交えて、こちらを笑わせてくれるし、これは、老若男女問わず、小さな子供からいい歳の大人まで、一般層のファミリーからオタク層まで、誰が見ても楽しめる映画だと思いました。

こんな見事な作品をCG映像で作られてしまっては、日本のアニメが負けてしまうのも仕方がないかな・・・という気もちょっとしましたけどね。

とにかく、見事。オススメの映画です。

http://www.pixar.com/jp/feature/incredibles/