星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ロボット・イン・ザ・ガーデン」 デボラ・インストール

読書7.「ロボット・イン・ザ・ガーデン」 デボラ・インストール 小学館文庫

カスバート兄妹のもとに女の子が来たように、アルムおんじのもとに孫娘が来たように、パズーのもとにシータが空から降ってきたように、タングもまたベンのもとにやってきたんだと思う。問題を抱えている人のもとにやってくる神様からの贈り物みたいに。タングの存在によって、自分の問題に気づき、変わっていく主人公の物語。ロボットとして描かれてはいるけど、この場合、タングは子供の比喩だろうと思う。自分は父親にはなれないと思いこんでいた主人公が、旅をしながら、子育て、タング育てに奮闘していく。そうやって、初めて、父親らしさを身に着けていく。

しかし、この場合、問題があるのは、主人公よりも奥さんのほうじゃないかという気もちょっとする。完璧主義の奥さんは、そうなるようにしつけられた育った家庭に問題があるのはわかったけど、ダンナさえ成長すれば、それでいいのか? ずいぶん、都合よく豹変したけど、代わりの男じゃ駄目だったから、戻ってきたようにしか見えないし、妊娠すれば、それだけで変わるのかな? そのへんは、よくわからないけど。

「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」第16、17話

第16話「フミタン・アドモス

第17話「クーデリアの決意」

好んで、革命の旗頭になりたがるクーデリアの気持は良くわからない。火星の人々が虐げられているのはなんとなくわかったつもりだったけど、コロニーの連中は、そんなに切羽詰まっているように見えないからかな? 組合活動のおじさんたちが、どこか脳天気に見えて、過激派でもないし、どちらかと言うと何も考えてないアホのように見えちゃうのが難点。こんな連中が扇動したことによって、巻き込まれる市民が大迷惑。鉄華団も大迷惑。にしかなってない。

こんな連中、放っておいて、とっとと地球に向かおうぜ、ってのが、正解なんじゃないだろうか? いまひとつ、クーデリアが戦っている相手が見えてこないから、わかりづらいんだけど。

 

「orange オレンジ」第6巻 高野苺

コミック28.「orange オレンジ」第6巻 高野苺 双葉社アクションコミックス

須和をメインにした外伝。この作品は、全5巻できれいに完結したと思ったけど、やっぱ、物語上、一番不憫なのは、彼だし、彼の気持ちをすくい上げる物語として、良かったと思う。

翔が生きている世界の未来を見れたのも、ファンサービスとして良かったと思うし。

とはいえ、作者があとがきで、7巻の可能性に触れたので、さすがにちょっとびっくりした。これ以上、この話を続けたら、蛇足にならない? 大丈夫?? と、思って、気になるじゃんか。どうするのか知らないけど・・・。

「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」第15話

第15話「足跡のゆくえ」

テイワズから運ぶように言われた積み荷に、武器弾薬が入っていて、それを依頼したのは、クーデリアの支援者であるノブリス・ゴルドン。ってことは、テイワズとノブリスもつるんでいると見ていいのかな? クーデリアはどこまでも利用される立場で。フミタンをクーデリアの監視役として置いたのも、ノブリスだと明らかになった。

味方に見えた人もみんな敵だと解釈すべきか、子供なんか、常に大人に利用される立場なのか。

労働者の暴動も統制局によって、予定されたもので、そうやって、詰将棋のように世の中が動いていく。それを垣間見せてくれたのは面白いと思う。

ただ、仮面の男の登場は、恥ずかしいだけだな。声が同じだからマクギリスっぽいけど、なんでわざわざ仮面をつけなきゃいけないのか。

「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」第13、14話

第13話「葬送」

第14話「希望を運ぶ船」

マサヒロを含む死者たちのお葬式をやる流れは、非常に良かった。宇宙で上げる花火もなかなか感動的。死者を悼む儀式は、生者のためにはやはり必要だと思うし、死んだらそれっきりだったファーストガンダムを思えば、ずいぶん、遠くへ来たような気もする。

総集編を挟んで、いよいよ2クール目に突入。鉄華団の船も地球圏に入ってきました。早速、いいように騙された形だけれど、フミタンの正体がだんだん顕になってきたのはいいね。どこからどう見ても、スパイだよねえ。と思っていたが、彼女の後ろにだれがいるのかは気になるところです。続きを待ちます。

ザック・スナイダー監督 「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」

映画26.ザック・スナイダー監督 「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」 (アメリカ・2016)

「マン・オブ・スティール」の続編。前作のラストシーンから物語が始まり、スーパーマンの戦いの影で大勢の人が亡くなっている様子が描かれる。それはいいけど、見ていて、途中でわからなくなったのは、バットマン側の気持ちで、バットマンがどういう人物だったのかがそもそも描かれていないので、ついていけなくなってしまう。ノーラン版のバットマンとも別人物みたいだし、この人がどういう人で、そもそも、バットマンとして何をやっていたのか? というのがわからないから、なんで、スーパーマンと戦わなきゃいけないのか、考えて、そこら辺でぐるぐるしてました。

逆に言えば、スーパーマンのほうが罠にはめられて、貶められていくのはよくわかった。

敵として出てきたルーサーのキャラが非常に良くて、役者さんのイケメン顔とその演技が印象に残る。

「その絵は逆さまだ。悪魔は地の底じゃなくて、空からやってくるんだ」という表現が良いなあ。と思って、ちょっと気に入りましたよ。宇宙人としてのスーパーマンを怖れ、憎む気持ちがわかりやすいかと。

「Dr.キリコ 白い死神」第1巻 原作:手塚治虫 脚本:藤澤勇希 漫画:sanorin

コミック27.「Dr.キリコ 白い死神」第1巻 原作:手塚治虫 脚本:藤澤勇希 漫画:sanorin 秋田書店ヤング・チャンピオンコミックス

夫が古本屋で買ってきた。「ヤングブラック・ジャック」よりもよほどもとの「ブラック・ジャック」に近いと言うので、読んでみたけど、私的には微妙。

これから老人がどんどん増える世の中、安楽死をテーマにするのは必要だと思うけど、迂闊に扱うのは危険な気もするし、中途半端に「ブラック・ジャック」の真似になっているのは、あんまり嬉しくないな。

私の感覚だと、「ブラック・ジャック」のテーマって、医療問題というよりもお金についての考え方だったと思うので、なんか違う感がかなりある。同人誌だと思えば読めるけど、あんまり積極的に続きを読みたいとは思わないですね。