星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「バッテリー」第9話

第9話「バックホーム

物語は、巧と豪の話からそれて、3年生組の方に移ったみたいで。巧と豪の関係は、どこか吹っ切れた部分があるのかもしれない。よくわからないけど、少し時間経過もあったみたいだし、描かれていない部分で、巧は豪を相手に全力投球する覚悟を決めたみたいな。

3年生組は、そんな1年生の成長に対して、少し、焦りと苛立ちがある。どんどん成長してくる後輩の可能性を見たみたいな。中学生というのは、伸びる時期だというセリフが、最初の方にあったけど、ほんのちょっとのことで、ぐんと変わる。ぐんと伸びる。だから、指導者としては、非常に怖いんだって。巧のじいちゃんが言っていたんだったか。

天才と言われ続けた門脇くんに、そういう焦りを見て、瑞垣くんが笑っているのが印象的。瑞垣くんの中にずっとあった痛み、門脇くんに対する劣等感に、ようやく門脇くんが気づいたのか、ちょっとその辺は分かりづらかったけど。

「バッテリー」第8話

第8話「終わりの秋」

瑞垣さんが巧のことを「姫さん」と呼んでいたり、初体験がどうのとやらしいセリフばかり言っていたのは覚えていたが、それって全部、門脇さんへのあてつけで言っていたのか・・・というのが、今になってわかった。原作を読んだときよりも、アニメで見たほうがキャラクター心理がよく分かるみたいで。

門脇が気に入ったやつだから、逆に気に食わないって、そういう心理なのね。なるほど。そのために、巧と豪のバッテリーを心理攻撃で壊しにかかったらしい。

おしゃべりで軽い性格に見えるけど、こうしてみると、結構、陰湿だなあ。と感じた。その割に、状況を読むことには妙に長けていて、的確な指示を飛ばす。なかなかすごいキャラだと思った。瑞垣さんは、昔から人気キャラだったという印象が残っているけど。こうしてみると、たしかに。

一方で、キャラが食われたといえるのは、巧や豪のチームメイトの方だと思う。軽く喋る明るいノリの男の子とかいるけど、こんな子、いたっけ? 程度の印象にしかなってない。まあ、仕方がないか。

「バッテリー」第7話

第7話「対決の時」

いよいよ、瑞垣さん、登場。ああ、こんなキャラだったなあ。と、セリフの感じが懐かしい。

原作を読んだときには、豪が巧の球が取れないと悩んでいる気持ちがよくわからなかったんだけれど、アニメだとスムーズに伝わるね。投手の球が強すぎると、捕手が受け止めそこねる・・・というのは、現実にもよくあるのだろうか? あんまり、そういうネタで物語を書いている人を見たことがないというか、私はこの作品でしか知らなかったんだけれど。

豪に向かって全力での投球をためらってしまう巧には、過去に誰かに怪我でもさせた記憶があるのだろうかと勘ぐってしまう。そんなことは、原作にも書かれてなかったと思うんだけれど、実際、物語上で、最初から巧が気にしていたのは、「俺の球を受け取れるの?」ってことで、今までにも彼の球を受け取れる捕手がいなかったということなんだろうと、推測はできる。

巧が全力で球を投げるためには、ちゃんとそれを受け取れる相手が必要で、そのために「バッテリー」というタイトルがついているんだな、と、改めて確認した。

「バッテリー」第6話

第6話「強豪校への兆戦」

誰かが誰かに従っている。何をするにも、誰かの許可が必要で、決して自分の自由にはならない。それは、監督である戸村先生だって同じで、練習試合を組むこと一つに、校長先生へ頭を下げて、頼む姿が描かれる。

まあ、この場合は、横手二中ほどの実力校が、うちを相手にするわけないと、実力差を示されるわけだけど。

いよいよ、横手のメンバーが出てきた。門脇さん、来た~って感じ。

こちらからお願いしても駄目なら、相手を引きずり出せば良い。どうしても、巧の球と勝負したいと、相手が思ってくれれば・・・。

そういう物語の流れがいいね。こちらから頼むんじゃなくて、実力を見せて、相手の気持を動かす。自分では自信満々の巧が、どこまでやれるか。

「原田、俺は信じんからな! ほんまに自分のやりたいことやって、思うようにやって、それが通用するなんて、信じんからな!」

展西さんのこのセリフが強烈で、印象に残ったので、メモしておく。

のぶにしさんって、展西って書くと、公式サイトで確認した。原作を読んだときには、そんなに印象に残っていないキャラだったけど、アニメだと強烈なインパクトがある。彼のその気持ちが、ものすごくよく分かるからなんだろうなあ。と思った。

「バッテリー」第5話

第5話「密室の出来事」

とうとう先輩に捕まって、リンチを受ける巧くんという話。野球部にあるまじき行為だなあ。と思っていたが、結局、活動停止処分か。オチを語ってしまえば、それでも練習を続ける少年たちってところが、この話のポイントなんだろうなあ。と思う。

それでも「やりたい」「好きなことを続けたい」という思いを捨てきれない中学生たちの気持ちに共感しますよ。

どうあっても、巧が憎かった・・・という信西さんの気持ちもわかる。我慢して、我慢して、先生や監督の言うことに素直に従ってきて、好きでもないことを無理に続けて、いい子をやってきた自分には、巧を見ているのが耐えられないってこと。

一方で、例によって、豪ちゃんの対応は見事なまでにそつがないけど、あまりにきちんとしすぎていて、かえって痛ましいな。という気にもなった。中学生でそこまでしっかりしているって、逆にどういうふうに教育されているやら・・・。

豪の家に行くシーンも入ったけど、見事なまでに立派なお家、きれいなお家。医者の家。金持ちの家。その家の期待された一人息子という境遇が見えて、かえって、気の毒になるよ。

「バッテリー」第4話

第4話「グラウンドに立つ」

だれの言うことも聞かない。だれの言いなりにもならない。親の言うことも、先生の言うことも、監督の言うことも、風紀委員の言うことも。自分で納得できなきゃ、絶対に従ったりはしない。それが巧の魅力というか、かっこよさなんだと思う。

一歩間違えれば、ただの自己中なんだけれど、他のキャラがみんな、誰かに従うことを仕方がないと何処かで諦めているから、その分だけ、巧に苛ついたり、光って見えたりするんだろうなあ。と思う。

豪にしても、風紀委員をやっている先輩にしても。自分が諦めて、我慢している部分を、巧は平気で踏みにじって、「馬鹿じゃないの」と言い捨ててるから。

孤高の猫ちゃん、巧くん。という感じがする。この子って、つくづく、猫キャラだよね。我が道を行くんだわ。

そんなんで、人間関係がうまくいくわけないんだけれど、さり気なくフォローに回った豪ちゃんがいいなあ。と思った。この子の気の使い方は、絶妙ですよ。なんて、いい子なんだろう。

あと、青羽と爺ちゃんは、なにげに推理が得意なんだな。と思った。相手が、なぜ、そんなことをしているのか、観察から見抜いちゃう。そういうところが、すごいと思った。

「梅田阿比短編集 裸足で、空を掴むように」 梅田阿比

コミック35.「梅田阿比短編集 裸足で、空を掴むように」 梅田阿比 秋田書店ボニータコミックス

「クジラの子」作者の初期短編集。デビュー作の頃は、やっぱり、作風が違うなあ。と感じましたが。できれば、表題作や「クジラ」の雰囲気を残した異世界ファンタジーだけでまとめてほしかったような気もします。いずれ、出してくる可能性はあるかもだけど。

「おちばの家」みたいな短編は好み。

人形師いろは」は、高橋葉介というよりは、「ホリック」の方に近いかな? と思った。