21.「裏庭」梨木香歩 新潮文庫 評価★★★★★
先日、「西の魔女が死んだ」を読み終えたときには「大切なのは意志の力です」というおばあちゃんの言葉が残ったので、実践してみようと思って「決めたことはやる」というのをやってみようとしているんだけど、やろうとしてもこれはなかなかできませんね。いやあ、いかに自分に「意志の力」が足りないのか、よくわかります。(^^);
確かに、「意志の力」を鍛えるためには、日頃からの訓練が必要かも? うう〜。(><)
ところで、「裏庭」では、さらにテーマが深くなって「自分の傷と向き合う」ことの大切さを語っています。傷から逃げるのではなく、立ち向かえと言う話。そんなにあっさり要約できるものでもないんだけど、主人公の照美という少女の傷、お母さんの傷、お父さんの傷、さらにはおばあちゃんの心の傷まで、世代を超えて物語が触れていき、その傷をどうやって癒していったか(癒すと言うより、克服していったか)が描かれています。
「裏庭」というのは、人が持つ「心の世界」。「古い大鏡」を通して、別世界に旅立った少女の冒険は、深読みするときりがないほど暗喩に満ちて、その一つひとつを読み解くのも楽しいし、素直に「次はどうなるんだろう」というわくわく感としても読める。
さらに「殺人」というかなり重いテーマまで、踏み込んで描いているから、いろいろと考えさせられます。彼を殺したのは、果たして誰だったのか・・。
いろんな意味で、とても深い物語でした。この構築力は勉強になります。面白かったです。
参考までに<A HREF=http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101253315/ref%3Dpd%5Fsim%5Fdp%5F1/250-8828372-9517826 TARGET=blank>こちら</A>