14.ニック・カサヴェテス監督 「ジョンQ 最後の決断」(アメリカ・02)
これはいい映画でした。
不景気で仕事を半日に減らされ、収入も減り、求人を探すけれど見つからず、銀行に車を取り押さえられる・・・そんな家族の日常から物語が始まる。
決して裕福ではない一家の身の上に降りかかった不幸。一人息子が突然倒れ、検査の結果、重症の心臓病だとわかる。移植手術をしないと助からない。
しかし・・・給料も安いと保険も安い方にされて、保障は受けられない。役所でもたらい回し。必死に家財を売って、寄付も集め、治療費を払おうとするが、それでも金がない人間には病院側はあきらめろと言う。
父親が息子のために最後にとった行動は、病院をジャックすることだった・・・。
厳しく描かれた医療制度、医療保険制度の矛盾点や問題点。こういう問題は、本当にどこの国でも同じなんだなあ・・と、痛感した。
病院が金持ちに優しく、貧乏人に厳しいのは、何もアメリカだけの話じゃなかろう。もっと言うなら、病院だけじゃないよね。
登場するキャラクターが自分たちの立場で、その問題を様々に語っていくのは興味深かった。特に人質になった若い医者が、ここぞとばかりに「本当に病院ってのはひどいもんさ」と雄弁に語るのには苦笑もの。
決して他人事ではなく、日本の医療保障制度だって、アメリカ以上にお粗末なものだという実態にみんなもっと目を向けるべきだと思う。何かあってからでは遅いんだから・・。
興味のある方は、是非、ご覧ください。感動しました。
公式サイトは<A HREF="http://www.gaga.ne.jp/john-q/" TARGET=blank>こちら</A>