星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ブレイブ・ストーリー」第1巻 小野洋一郎

45.「ブレイブ・ストーリー〜新説〜」第1巻 原案:宮部みゆき 漫画:小野洋一郎 新潮社バンチコミックス 評価★★

宮部みゆきの原作を漫画化したというので買ってみたが、期待はずれだった。

絵柄の感じも好みではないのだけど、とにかくごちゃごちゃしたコマ割りが非常に読みにくい。しかも、冒険ファンタジーものとして、主人公が全然かわいくないのは致命的かと思う。

宮部みゆきの描く中学生の少年って、すっごくいい子というイメージがあるんだけどなあ。全然、だめな少年にしか見えない。はっきり言って情けないよ。
敵側(?)の少年に完全になめられていても仕方がない。

とはいえ、このライバルの少年もまた暗い過去を背負っていておいしい役所のはずなのに、全然かっこよくない。主人公に負けず劣らず、かわいげのない情けないやつにしか見えない。

こんな二人が、ファンタジー世界の入り口で、ごちゃごちゃもめているんだけど、どっちにも感情移入できないので、続きに全然期待が持てない。はっきり書けば、面白くない。

題材は悪くないのに、描き方が下手だと思う。もうちょっと巧くやってくれなきゃ、せっかくのお話がもったいないよ。2巻も買ってしまったので、もう少し様子見・・。

【補足】
主人公が情けないのは、ファンタジーものの冒頭として定番かもしれないし、情けないからだめだと言っているわけじゃないのだ。むしろ、私は最初は少々情けないぐらいの子が、冒険を経て成長していく物語の方が好きだし・・。
しかし・・それを差し引いても、この主人公は全然かわいく見えないのだ。これから苦難の道に入っていくだろう主人公を応援したい・・という気分にまったくなれないのは、やっぱ問題だと思う。

やっぱ、原作が文庫化されるのを地道に待った方がいいのかもしれない。下手に漫画を読んで、ネタばれだけするのも嫌だしね。