星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」第19話

第19話「見えない真実」

ミーア・キャンベルの存在は、ファーストマクロスに対する皮肉に見えた。やっぱり、あれはリン・ミンメイなんでしょうね。露骨に戦意高揚のために使っているあたりが嫌みっぽい。

「平和のために、みなさん、がんばって(戦って)ください〜!」と言わせているあたりは、ラクスの「どうか戦いをやめるように」との訴えとは、同じ歌でも正反対の使い方をされていることがわかる。それでいて、ミーア自身は本当に平和のためだと思いこんでいるところが怖い。

戦争の根っこの部分に兵器を売るために戦争を続けさせるようにしかける軍事産業死の商人)の存在がある。物語がそういう生々しい部分に踏み込んできたのは、ちょっとびっくりした。昔のアニメではよく描かれた概念なんだけど、最近はそこまで踏み込む作品は少なかったように思う。しかし、そういう理由で戦争をあおるタカ派の人々は現実にも確かに存在するのだ。くれぐれも「そんなのマンガだろ?」などと簡単に思わないように。

議長は彼らと戦いたい旨を告げていたが、その割には「真の平和のために私の矛となって彼らと戦ってくれるね?」と、子供たちをけしかけているように見える。このあたりが彼の薄気味の悪いところ。

再三、書いているけど、そういう言葉に簡単に乗せられないように注意しなければならないと思う。
物事は、他人の言葉を安易にそのままそっくりと「私もそう思う」と写し取るんじゃなくて、他人はそう思うかも知れないけど「私はこう思った」と考えるようにしなきゃダメだ。

特にカリスマ性を持った人物に対しては、疑念の余地を挟むくらいでちょうどいいと思う。「私もそう思う」と信奉するんじゃなくて、「本当にそうなのかな?」と考えるクセをつけるべきだと思う。なんでも「そうだそうだ」と従っていると、気がついたときには取り返しがつかなくなる・・・というのは、前作のテーマでもあったと思うから。

議長に抱きつくレイは、ちょっとやりすぎだなあ・・・と思った。私の好みとしては、そんな露骨なシーンよりもこっそりと物陰から議長を見つめている、あるいはさりげなく目配せを交わすくらいでちょうどいいんだが・・・。