小説・一般16.「女子大生会計士の事件簿」 山田真哉 英治出版
これは面白かった。経済の勉強をしたいと思っていた矢先だったので、試しに手に取ってみたら、思いの外、楽しく読める小説でした。「会計」をテーマにライトノベルを書いちゃうっていう作者のセンスが素晴らしいです。
なにしろ、キャラクターがとてもいい。女子大生会計士萌さんと、ちょっと抜けてる弱気な会計士補カッキーの会話は、すっかりぼけとつっこみの漫才コンビ。
萌さんにしろ、カッキーにしろ少し古い感じのマンガゼリフをしゃべるので、どこか懐かしく、３０代の自分にも入りやすいです。
＞「でも、どこの会社でも大なり小なり裏金なんて作っているでしょう？ ちょっとぐらいなら見逃してあげてもいいんじゃないですか」
＞ 僕がそう言うと、萌さんはちょっと怒った顔になった。
＞「バカね、あんたは。嘘が書いてある帳簿を見せられても悔しくないの？ みすみす騙されろって言うの？ 信じられないわ、そんなの。少なくとも、私の前では一切の隠しごとは許さないからね。私に黙って裏金作りをするなんて上等じゃない！ 今日は徹底的に調べてやる！ 裏金＜ＵＫ＞とやらのカラクリを」
＞ 普段はかなりかわいい顔をしているだけに、怒るとけっこう怖い。
こういう感じのノリがいいよね。公式サイトの方に、小説の第１話が一部載っているので、興味のある方は、のぞいてみてください。
ちなみに、単行本版と文庫版があるみたいで、私は知らずに単行本の方を買っちゃったけど、文庫版の方が内容も２編多いし、値段も半額なのでお買い得かも知れません。
コミック版もあるみたいなので、そのうち探してみたいと思います。
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http://www.cam.hi-ho.ne.jp/shinya-yamada/
