コミック25.「新世紀エヴァンゲリオン」第10巻 原作:GAINAX 漫画:貞本義行 角川書店エースコミックス
2年ぶりの新刊。それでも、あいかわらず順調に面白いです。
元々私は、アニメ版の「エヴァ」にはそんなに思い入れがないんだけど、コミック版の方は、結構、キャラに感情移入して読んでます。シンジくんのキャラクターが、アニメ版よりもコミック版の方がいい男に見えるので。
アスカやレイやカヲルくんがシンジくんに惹かれていく理由がよくわかる気がする。こういう風に言われたら、シンジくんを好きになるよなあ・・・という部分で共感できると・・・いろいろな部分を見て、思うのだ。そういう意味で、アニメ版よりコミック版の方が好きです。
レイの最期のシーンに、コミック版ではアニメにはないオリジナルのセリフが入るけど、こういうのが好き。「セカンドを憎いと思ったでしょ?」と偽の綾波に指摘されるシーンとか・・・。
あと、カヲルくんのキャラクターをずいぶん人間くさく描いてきたけど、このやりとりも好きだなあ。カヲルくん、ずいぶん性格が悪いけど、ちゃんと石田彰の声で聞こえるよ>セリフ。
ラストを占めるリツコさんの物語を見て、この巻のテーマは、「孤独と、そこからくる嫉妬」だったんだな・・・とわかる。キャラクターたちはみんなそれぞれに「私だけを見て欲しい」と思っているのに、それは、かなえられない想いだということ。そういう部分がしくしくと切なかったです。
あるいは、アニメでもそれを描いていたのかも知れないけど、コミック版ほどには、こちらの胸に響いていなかったような気がする・・・。続きの巻も楽しみです。