星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ぼくの・稲荷山戦記」 たつみや章

小説・一般15.「ぼくの・稲荷山戦記」 たつみや章 講談社文庫

素直に面白かったです。こういう自然信仰の入った物語は好きです。人間の自然破壊によって、苦しめられている自然界の存在たち。彼らを守るために、少年は狐たちと共に戦う・・・みたいな感じ?

「こんなのは嘘だ。存在しない!」という想い「否念」が強いと、彼らは本当に存在できなくなる・・・という設定の部分が面白いと思いました。主人公でさえ、その「否念」を持ってしまっているんですね。

「使い」として登場してくる守山さんのキャラクターがステキでした。

うちの実家の前の山にも古墳が出たとかで、そう言う話を聞くと、ちょっとこの物語とリンクします。古墳というのはお墓で、誰かが眠っているんだって言う部分がちょっと泣かせました。それを破壊しちゃいけないんだという話。

人間の愚かさと自然の深さを感じられる、いい作品でした。児童文学の名作だから、小学生の子にオススメかも知れません。大人が読んでも十分に面白いですが・・・。