星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「赤毛のアン」第27話

第27話「マシュウとふくらんだ袖」

今回の主役は、アンから離れて、マシュウの方。マシュウの視点で、アンとほかの女の子たちの違いを考えて、洋服を買ってやりたいと思い立ち、出かけていく話。

とにかく、女性が苦手なマシュウが、アンのクラスメイトがきゃぴきゃぴ騒いでいるのを見て、慌てて、隠れてしまうのが面白かった。なんにせよ、描写が丁寧で、家の中に入ってくるまでに、入り口で泥の汚れを丁寧に落として、うちで長靴を脱ぐときには、靴を引っかける道具をちゃんと椅子の下に置いてあるというのが、なんだかリアルだなあ、と思いました。

それでいて、隠れるときには、慌てているから、片方の長靴だけ脱ぎっぱなしで置いてあるのね。それを見てマリラが「兄さん、帰っているんですか?」と呼びかけるところも、上手くできているなあ、と思いました。

女性の店員相手だと、買い物も満足に出来ないマシュウの混乱ぶりとか、なかなかコミカルで楽しかったし、最終的にリンド夫人を訪ねて、アンの服を作りたいと言ったときの、やりとりの様子も面白かった。

「質素な服を着せていれば、真面目な子供に育つとマリラは考えているようだけれど、むしろ、ひがみっぽい子供になるのが関の山だと私は思いますけどね」みたいな分析をリンド夫人がしたので、それはそれで、一理あるかなあ、と思った。

とは言え、クリスマスまではアンには黙っていようと大人たちが画策し、このプレゼントについては、嫌そうな顔をしたマリラでさえも、アンが来たとたんに慌てて、服を隠し始めるのが面白かった。何のかんの言って、この人ですら、アンの喜ぶ顔が見たいんじゃないかという気がする。

そういう部分、非常によくできていて楽しめました。次回は、クリスマスになるみたいだから、続きも楽しみです。