星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「クローディアの秘密」 E.L. カニグズバーグ

小説・一般24.「クローディアの秘密」 E.L. カニグズバーグ 岩波少年文庫

河合隼雄の心理学の本を読んでいると、この作品のタイトルがやたら出てくるんですよ。「子供の持つ秘密」についてとか、「家出願望」についての解説で・・。それで、前から読んでみたかったのです。少し前に古本屋で見かけて衝動買いしました。

ちょうど、先日、大阪の友人と電話で喋ったときに、その話をしたら、彼女も読んでみたいと言ったし、彼女のところには小学6年生の女の子もいるので「じゃあ、読み終わったら送ってあげるよ」という約束をしたのです。それで大急ぎで読んでみたんですけどね。

ニューヨーク近郊に住む小学生の女の子が、ありきたりの日常を変えたいと家出を決意。実行して、行った先がニューヨークのメトロポリタン美術館。弟と二人でしばらく、そこに隠れ住むことにしました・・・と言う話。

親御さんの気持ちで読めば、子供が二人だけでこんな冒険をするなんて・・・と、目を白黒させるところだろうけど、確かに自分も子供の時は、家を出て、こういうところで暮らしてみたかったなあ、という想いがなんだかよみがえってきて、懐かしい気持ちで読めました。

とにかく、計画担当のお姉ちゃんと、会計係の弟の組み合わせがよい。弟はうかつな行動が多くて、お姉ちゃんをハラハラさせることもあるんだけれど、なにげにちゃっかりしていて、財布のひもだけは妙に固いんですね。

最終的に登場するおばあさんの話と、家に帰り着くまでの経緯とか、最後までわくわくしながら読ませてもらいました。落ちの部分も笑わせてもらったしね。

小学校高学年の子供のいる家庭に、オススメだと思います。