星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「シャングリ・ラ」下巻 池上永一

小説・一般45.「シャングリ・ラ」下巻 池上永一 角川文庫

結果的に言えば、これはアニメを先に見ておいてよかったのかも知れない。たぶん、でないと、アニメをまともに見れなかっただろう。途中で怒って視聴を止めちゃった可能性が高いな。あまりにも原作と違うので・・・。

特に、香凛を引きこもり少女として設定し、外界に出るのが恥ずかしいからと着ぐるみを着て秋葉原に出かけたり、美邦の女官に秋葉のコスプレ女性達を並べたりするシーンを見て、そこで切ったんじゃないかと思う。そんな設定、原作にありませんから。

あと、ミーコを水蛭子にした設定が、アニメだと涼子の命令になっていて、どうにもそりゃ無茶だろう? と思っていたので、原作では状況が違うのを確認できたのが収穫でした。まあ、原作でもかなり強引なやり方でしたが・・・。

実際、原作小説を読んでみたところで、原作が面白かったかと言えば、これもかなり微妙で、とても他人には勧められない小説だったのは事実。

なんというか、いろんな部分で、なんかもうめちゃくちゃです。設定のリアリティなんか、途中で完全にぶちこわしちゃって、物語があっちに行ったり、こっちに行ったりするし、なんかいろんな意味で方向性がぶち壊れているような作品でした。

こんなの商業小説として出しちゃっていいの? とさえ思う。変な小説を読んだなあ、と言うのが、素直な感想ですね。ずいぶんかかったけど、やっと読み終わって、ほっとしてますよ・・・。