星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「宇宙戦艦ヤマト」 石津嵐

小説・一般16.「宇宙戦艦ヤマト」 石津嵐 ソノラマ文庫

夫の本です。夫の実家を整理していたら出てきたので、「ガンダム」の次は「ヤマト」を読もうと思って、せっせと読んでました。ちょうど放射能ネタもあることだし、タイムリーだと思ったんですが・・・。

もう古い本なので、思いっきりネタバレ全開で行くけど、よもやイスカンダルまではるばるたどり着いて、「放射能に汚染されたあなたたちの星を、元に戻す方法はありません」と、突っぱねられるとは思わなかった。この作品では、「放射能除去装置」なんて都合のいいものがないんですね。

「星はもう元に戻せないので、放射能に汚染された場所で生きられるように、人間の方を改造するしかありません。その方法なら教えられます」って、それが結論ですか〜。ある意味、非常に怖いラストなんですけど、その容赦なさがさすが70年代の作品だなあ、と思いました。

「一度汚染された星は、もう元には戻せない」30年前のSF小説で書かれた予言が、今にそのまま当てはまるというのは、現実の方がよほど恐ろしいじゃないか、と思って、厳しいものを感じました。