星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「アイ・アム・レジェンド」 リチャード・マシスン

読書37.「アイ・アム・レジェンド」 リチャード・マシスン ハヤカワ文庫

同名タイトルの映画(07年)は、夫と二人で見に行きましたが、原作ファンの夫が怒っていて、「映画はクソだが、これは原作が名作なんだ」と主張するし、先日、古本屋で見かけて、彼が買って、裁断すると言っているので、その前に私も読んでみようと思いました。

映画の細かいところは忘れてしまったけど、確か、主人公が犬を飼っていて、まわりがすべてゾンビになってしまった世界で、犬とだけ暮らしていたという設定だったと思います。

だけど、原作は、そうじゃないのね。原作にも犬は出てくるけど、たった一人で暮らしていた主人公の元へ、ある日、現れる野良犬なんだ。当然、懐いてなんていないし、主人公の姿を見るだけで、怯えて、逃げて行ってしまう。

「ワン公、戻っておいで。何もしないから!」繰り返される、このセリフが、読んでいて辛かった。

自分の姿を見るだけで、怯えて、逃げてしまうような犬に、どれだけ彼が愛情を注いだか。なんとか、犬を手なずけようと、エサをおき、脅かさないように話しかけ、頭に触りたいという欲望を抑えて、少しでも近づけるように、仲良くなれるように・・・。

その努力が報われたのならともかく・・・。

犬の件の辛さに、ちょっと泣かされました。ある種、映画で、彼らが仲良くやっていたのは、原作の彼の夢みた世界だったのかも知れないなあ。と思いました。

アイ・アム・レジェンド (ハヤカワ文庫NV)

アイ・アム・レジェンド (ハヤカワ文庫NV)