星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「うしおととら」第5話

第5話「符咒師 鏢」

これもまた声優さんには厳しいところで、昔のOVAでは、鏢さんの役を若本規夫が演じていたわけで、浪川大輔に対抗できるのか?? と思って気にしていたら、案の定で。浪川さんも頑張ってはいたけど、若本の演技のほうがやっぱり強いというか、キチガイぶり、壊れっぷりが真に迫っていて、こういう少年漫画をやらせると、やっぱ、昔の声優さんの迫力には、どうしても負けるような感じがする。

前にも書いたけど、昔のOVAの方が、今のアニメよりもどこかしら荒削りで、その分、漫画チックなんだと思う。今のアニメは、絵がきれいな分、どこかお上品なんだな。

こういう熱血系の少年漫画になると、やっぱり、漫画チックにオーバーアクションで演技してくれたほうが、迫力が出るのかもしれない。この場合、鏢さんっていうのは、奥さんと娘を殺されて、どこか壊れてしまったお父さんという役どころだし、どこか執念の込められた狂気の演技が入らないと難しいんだと思う。

一方で、潮の演技は、だいぶこなれてきたような気もするけど、やっぱり弱いと思うのは、とらと喧嘩した勢い、鏢の前にとらを置き去りにしたという罪悪感が出なきゃいけないわけで、そもそも、潮の怒りが伝わらない感じがして、なんで、そんなひどいことするの? 潮でもそんなことやるんだ? という部分が、妙に違和感がバリバリにあった。潮ほど正義感の強い人間でさえ、怒りの勢いで、とらを見殺しにしようとしたというその気持ちがどうも伝わってこない感じがした。これだと、ただの嫌なやつに見えるし、こんなの潮じゃないという妙な気分になった。これでも、原作通りなのは覚えているけど・・・。

役者さんの演技で言えば、麻子役の女の子は、良かったと思う。「何を悩んでいるのか知らないけど、そんなのぶっ飛ばしちゃいなさいよ」というその気持だけは伝わったので、そのシーンは印象に残る。まあ、この場面が一番重要なんで、ここを外しちゃ駄目だと思うけど。

この場合は、比較の対象として、昔作られたOVAがあるので、なんで新旧のアニメに違いがあるのかという研究対象にはなるね。特に、声優さんから受ける印象がこんなに違うんだ? というのは、自分でも、見ていて興味深い。

そのうち、今の声優さんにも慣れるだろうか? それに期待しつつ、次回を待ちます。

OVA版の再放送でもあれば、と思うけど、難しいんでしょうか?