星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「風と共に去りぬ」第5巻 マーガレット・ミッチェル

読書22.「風と共に去りぬ」第5巻 マーガレット・ミッチェル 新潮文庫

人は、自分を基準にして、相手を見るから、善人は、相手もまた善人だと思い、悪人は、相手もまた悪人か、もしくは馬鹿だと思う。そして、お互いに、相手のうちに自分にないものを求めるものなのかもしれない。主役4人のすれ違いは、そこに発していて、相手を見る目をちゃんと持っていたのは、レット・バトラーだけだったのだろう。人を見る目って、大事なんだとしみじみ。

「あなたのせいよ、あなたがあの子を殺したのよ!」というスカーレットの叫びが、耳について、離れない。それだけは言っちゃいかんだろう。レットほどの人が、どんどんズタズタになっていくのが、痛ましくて仕方ない。

気づいたときには、もう手遅れ。というラストも非常に好み。いや、しかし、スカーレットなら、この状況からでも立ち直るんだろうか? いつか、またどこかの明日に。という予感も少しだけあるのが、救いといえば救いかな。