読書4.「ゲド戦記」第4巻 帰還 アーシュラ・K・ル=グウィン 岩波少年文庫
男って生き物のたちの悪さ、どうしようもなさ、情けなさを、これでもかこれでもかと描き、なんだか作者の怒りや憎しみまでこもっている感じがした。それでいて、結構、それが核心をついているように見える。
改めて、ゲドがこんなに頼りにならない男だったとは・・・と知って、愕然とする。私もテナーと同様に、ゲドさえいてくれたら。と、どこかで思っていたのかもしれない。
肝心のゲドは、物語の中盤から姿を消してしまい、ラストに至るまで出てこないし、テナーが一人で頑張る話で、全体的に女たちの物語になっているような気がする。その強さを。