第3話「八軒、豚丼と出会う」
見る前は、そんなに期待していなかった割りに、思いの外、この作品が面白いことに気づいた。自分の知らない世界を教えてもらえるのは、素直に嬉しいです。
ばんえい競馬の名前だけは、なんとなく耳に入ってきていたものの、実際に作品を見るまでは、どうせただの競馬でしょ? と思っていた。速く走るだけじゃなくて、荷物を引かせる競争もあるのか。競馬の世界も奥が深い。
と言うか、車のない時代には、牛や馬が、結構、重要な動力源だったわけで、荷物を運ぶ馬の姿を見ていて、そう言うことを考えたりした。
あと、馬の診療所や、馬の葬式など、なかなか普通には見られない景色を見せてくれて貴重だと思う。
冒頭と最後にあった子豚のエピソード。ブタの乳は、胸側がたくさん出て、尻側に行くほど出が悪くなる。生存競争に負けた子豚ほど、尻側に行くというのは、ちょっとした豆知識。で、主人公が、尻側の子豚に愛着を持つというのも、なんかわかりやすい話で・・・。
名前をつけるなら、豚丼にしておきなさい。というのも、なかなか厳しい言葉で、負けた奴から、ベーコンにされていくという、そういう動物たちの有りようを、我々はもっときちんと知るべきじゃないかと・・・。