星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「舟を編む」第11話

第11話「灯」

最終回。きれいに終わったと思うけど、この作品の難点は、最後まで見ても、辞書づくりの大切さ・・・というのが、伝わってこなくて、そんなに辞書ってすごいものなんだろうか?? と、未だに思うことで。いくら松本先生や馬締さんがもっともらしいことを言っても、辞書は人と人をつなぐ船だとかなんとか、抽象的すぎて、よくわかんないし、説得力がゼロだってことですね。それを言い出すと、身も蓋もないんですけど、実際そうなんだから、仕方がない。

これが外国語の辞書なら、異なる国の人々と交流を深めるため、語学学習のために大切なものだという話もわかるんだけれど、この場合、国語辞典でしょ? 国語辞典って、今の時代に必要性があるのだろうか?

必要以上に丁寧な言い回しを覚えても、そんなに役に立つものじゃないし、辞書なんか引いている暇があったら、その分だけ多くの人と会話すべきじゃないの?? という感じがする。

この作品で伝わるものがあったとすれば、コミュ障の主人公にも居場所があって、やりがいのある仕事が見つかって、よかったね。という感慨で、それでも、どちらかと言えば、なんでもスムーズにうまく行きすぎじゃないか? という気もするけど、まあ、所詮は、物語だからね。こんなものでしょ。という感じ。

アニメとしての演出が見事だったとは思うので、内容よりもそちらを評価したい。きれいなアニメーションで、見ごたえがありました。よかったです。

「舟を編む」第10話

第10話「矜持」

姿を見せないと思っていたら、お婆ちゃんはもう死んでましたか。13年も、14年も経過していれば、いろいろあるよね。

辞書のやり直し作業は、見ているだけで恐ろしい気分になった。あんな仕事はやりたくないと思う。しかしまあ、バイト(?)の人たちが、みんなそろって「辞書の仕事、楽しかったです!」と言ってくれるのは、やっぱり、ここが夢の世界だからという感じがする。誰か一人ぐらい、「やってられるか!」と暴れだしそうなものだけれど、そんなエピソードを入れたら、話がややこしくなって、先に進まないかな? とも思う。

松本先生の入院シーンが入ったのが、たぶん、伏線だろうという感じはする。大渡海の完成に間に合うのか間に合わないのか、次回を待ちます。

「舟を編む」第9話

第9話「血潮」

西岡さんが馬締さんのラブレターのコピーをこっそり隠しておいたのは分かるとしても、随分と回りくどいことをするなあ。と思った。わざわざ「夜間飛行」のタイトルを出したからには、そこに引っ掛けを入れたいんだろうなあ。という感じがした。

原作を立ち読みしたけど、原作には「夜間飛行」の本にメッセージを隠したというエピソードはないみたいだし、その部分だけアニメオリジナルっぽい。

一言でまとめるなら、サン・テグジュペリの「夜間飛行」というのは、「どんな大事故が起きようとも、それでも次の飛行機は飛ぶ」という話で、「そうやって仕事はずっと続いていく」という話だったと記憶している。

それを辞書づくりの作業に引っ掛けたかったんだろうなあ。と、解釈してみた。それこそ、随分回りくどいけど、興味のある人は、読んでみてね。という宣伝かな?

あれは、いい作品だった。細かい部分は忘れたけど、そういう印象だけ残っている。

「舟を編む」第8話

第8話「編む」

一気に13年後に話が飛んだのでびっくりした。辞書を完成させるシーンまでやりたいのかな? と思ったけど、前の彼等の物語を知りたかった身としては、ちょっと残念。

新キャラ登場だけれど、ファッション誌の編集をやっていたなら、辞書編集部に異動になれば、そりゃがっくりするだろうという感じもする。

ジョン・ラセター、ジョー・ランフト監督 「カーズ」

映画36.ジョン・ラセタージョー・ランフト監督 「カーズ」 (アメリカ・2006)

「お前は一度でも周りのことを考えたことがあるのか?」

結構、このセリフが強烈に響いた。よくある子供向けの教訓話といえばそうなんだけれど、これは、大人の心にも訴えるものがあるんじゃないだろうか? 冒頭から、主人公の自己中ぶりがあまりにひどいし、見ていても痛くて、大丈夫か? この作品は~。あんまりすきになれない話だよねえ。などと、なめきった態度で見ていたけど、主人公の意識が変わる辺りで、私も変わらなきゃなあ。的な気分になった。

世の中の人間が、みんな、自分のことばかり言ってないで、周りをよく見ることを覚えれば、世界は少しでもいい方向に変わるんじゃないだろうか? そういう意味で、この作品のテーマは大事だし、みんなにおすすめだと言っていいのだと思う。いい作品でした。

「舟を編む」第6、7話

第6話「共振」

第7話「信頼」

屋上で、缶コーヒーを2人で飲んで、友情を確かめあってるみたいな・・・。確かに、先生の言うとおり、「いつの間にかすっかり仲良くなって」という感じで、ほわほわします。

 

「坂の上の雲」第3巻 司馬遼太郎

読書17.「坂の上の雲」第3巻 司馬遼太郎 文春文庫

いよいよ、日露戦争勃発。そこにいたるまでの状況の説明と日英同盟を結ぶまでを丁寧に解説してくれて、参考になった。ロシアの南下の脅威。朝鮮半島が南北に分裂したのは、朝鮮戦争の結果だと思っていたが、もともと半島の北半分を欲しいと言っていたのは、ロシアだったし、それでは困るというのが日本側の言い分。英国の干渉は話がうますぎるほどのものだったが、イギリスとロシアのどちらを信用するかにあたって、それぞれの国の外交史を調べたというのが印象に残った。

イギリスは条約をきちんと守るが、ロシアは守らない。平気で条約を破ることが過去に何度もあった。そういう国だし、この場合、ロシアは、圧倒的な大国で、日本など簡単に蹴散らせると思っていた。まさに、窮鼠が猫を噛んだのが、日露戦争だったんだなあ。と思う。追い詰められた小国のネズミとして、ロシアという大猫に対抗しなきゃならなかった。そのための必死の下準備が、すごいと思う。先人たちの努力を垣間見たかたち。