星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「十二国記」第三十話「風の万里黎明の空八章」

ほぼ原作通りですね。セリフ回しも物語展開も。原作ファンとしては非常に満足。

と言うか、原作通りのセリフ回しを使うと、やっぱセリフだらけでくどい印象は避けられないけど、元が小説なんだからそれは仕方がないんですよ。小説で文字で読むセリフは多少長くても違和感がないんだけど、役者さんが肉声で読むアニメだとどうしても無理が出る。
それは多分、小説をアニメ化する場合の壁だと思うし、「星界の紋章」だって原作のセリフをそのまま使うのに、声優さんがかなり無理して長ゼリフを喋っていたから。

多分、そうならないようにアニメ流のセリフを使って、展開もオリジナルにしようと冒険をしたのが「月の影影の海」だと思うんだけど、そうすると物語解釈が変わってきちゃって、肝心の原作のテーマまで歪められた気がしたから、原作ファンとしてはどうしても許せないんですよね。原作を知らない人が見る分には會川昇のストーリーとして問題がないかもしれないんだけど。

小説の味を残すためには、セリフを勝手に変えるのは一番危険だし、結局「銀英伝」方式で長セリフをそのまま喋らせて、あとはくどく見せないように画面の方を工夫して、視聴者を退屈させないように動かしてみせるしかない。

やっぱ理想的なのは「赤毛のアン」ですね。アンが長いセリフを喋っている間、どのようにして画面を動かしているか・・という。(もう一度見てみたくなったけど、そういえばBSの再放送はどこまで進んでいるんだろう?)

そういう意味で、今回の演出は見事でした。原作のイメージ通りに作ってくれたから。

この調子で続くんだったら、今後の展開にも期待できそうです。楽しみ♪

【補足】
原作が手元にないので確認しようがないけど、桓たいが熊の姿で鈴を助けるシーンはさすがに原作にはなかったと思うんですが、ありましたっけ? 某掲示板で「森の熊さん」といわれているのを見てちょっと笑っちゃった。ごめんよ。

【補足2】
浅野くんの銃は発砲できないものと思っていたんだけど、ちゃんと撃てたみたいですね。彼は本当にどう動くかわからないデンジャラスなキャラですわ。見ているとかなりハラハラします。