星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「火の鳥」第2話

第2話「黎明編その二」

うーん。やっぱり黎明編を4話で描くのには無理がありすぎるかなあ。展開があまりに早い。せめて、ヤマタイ国だけで2話ぐらいは使って欲しかった。(出番がなくなったナガトコとオロに合掌)

ちなみに、少年猿田彦がヒミコに助けられて「強く生きなさい」なんて言われる描写は原作にはありません。アニメのオリジナルです。

原作で描かれなかった部分(猿田彦がヒミコに忠誠を誓う理由と、猿田彦がナギを助けた理由)をそういう描写を入れることによってきれいにつなげたか・・と感心した。ただ一方で、そのために「冷酷な侵略者」としてのヤマタイ国のイメージがちょっと甘くなってしまったような気もする。
スサノオまで「皆殺しにせず、奴隷にすればよかったでしょう」とのセリフが入っているので・・。

男たちが戦争でどんなに人を殺しても、女たちが新しく子供を生めば、また国は作れる。
そのテーマに沿って、ヒナクの「私は死ぬまでに子供を1000人でも産むの」というセリフがあるし、「その子供たちが大きくなってまた子供を産めばいい」「私が死んでも、誰かが産むわ」というセリフがあるんだけど。

ヒナクの願いは、恨みを果たしてグズリを殺すことではなく、グズリと愛し合って子供を作ることだった。そうやって失われた村を取り戻したいと。
そのヒナクの願いを叶えるために、グズリは罪滅ぼしとして火の鳥を探す。滅ぼされてしまった村を復興させるために・・・。

そうやって、戦争によって絶滅した「国」と子供を産むことによって再興する「国」があることを描いていくのが、原作の重要なテーマだと思うので、ヤマタイ国によるヒの国(原作ではクマソの村)の侵略の様子を甘く描いちゃいけないと思うんだけど・・・。

微妙だなあ。それだけ年老いたヒミコが理性を失い、狂ってしまったのだという風に描きたかったのだろうか? そう思えば、納得できるような気がしなくもないんだけど・・・? さて?

それにしても、ナギと火の鳥の邂逅シーンが省略されているのは残念。ラストまでにそのシーンを入れてくるかしら? どうだろう?