星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

スピルバーグ監督「プライベート・ライアン」

10.スティーブン・スピルバーグ監督「プライベート・ライアン」(アメリカ・98)

これはいい映画でした。アカデミー賞をいくつか取ったという話も頷けます。

基本的には戦争映画だから、凄惨な戦場の様子が丁寧に描かれているんだけど、死んでいく一人一人の兵士に家族があって友達がいて・・・という事実を丁寧に描いてきた部分に好感が持てます。

たぶん、彼らが殺している兵士たちもみんな同じなんだろうというのが、よくわかる。誰も死にたくないんだけど、殺さなきゃ殺されるという極限状態の場所。

冒頭と最後に戦場で死んでいった人たちの墓が描かれますが、それが最後に深い意味を持ってつながるところで感動しました。

生き残った兵士の一人一人が、彼らを助けるために死んでいった人の命の重みを背負っているんだという事実・・・。ここでは、ライアンという一人の兵士を指しているけど、全体的に見れば、世界中にそんな人たちがいて、我々はすべてその子孫なのだという事実に気づかされるから。

だからこそ、「(その命を)無駄にするな。しっかり生きろ!」という最後のセリフに涙することになる。冒頭とラストに描かれる兵士の家族。妻とその子供たち。助けてくれた人がいるから、その子供たちが生まれることになった・・・。自分たちの親のまた親もきっとそんな思いを抱えていたのだろう。

戦争映画としての描写も迫力だったけど、そうしてセリフの一つ一つに重みを持たせた部分で、立派な反戦映画として受け止めることが出来る。いい作品でした。

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