第九章「覚悟」
3人が3人とも、覚悟を決めたようで、その点はなにかすっきりしたものがありました。特にエレノアさんが吹っ切れたようなのは、よかったです。彼女のことが一番心配だったし・・・・。
ウィリアムを勘当すべき・・・という、お父さんの意見には賛同するところで、本来、ほかに道はないような気がするんだけど、そこら辺を無理矢理ねじ曲げる展開にするみたいだから、それがちょっと気になるところ。
ジョーンズ家には次男も三男もいるんだから、不祥事を起こしたウィリアムが家を継ぐ必要はないわけで、弟が「いまさら兄さんの代わりなんか、嫌だからね」と言い出すのは、どう考えても変。弟なら、もっと野心を持って、この隙に家と財産を乗っ取ろうと考える方が普通のような気がする。
そこまで考えなくても、兄さんの代わりに僕がもっとうまくやってみせるよ! とか、それじゃ露骨というなら、兄さんが落とした名誉を僕が回復してみせる! だから、兄さんは、その女性のところに行って。あとのことは、僕に任せて・・・。そういうノリにした方が、感動的なんじゃないだろうか?
あの次男は、最初からそういうキャラに見えたしね。
「僕が家を捨てたら、エマさんが幸せになれない」というウィリアムのセリフだけが、嫌な感じの違和感として残りました。そんなことはないだろうよ。むしろ、不幸にするだけなんじゃないのか?