第七章「夕波」
・・・どう考えても、悪いのは、女二人を不幸に陥れているウィリアムだよなあ・・・・という感じがする。もはや、フォローするためにハキムが出てくる余地もない。
キャンベル家の当主の言い分の方がよほどもっともに見えてしまう。ウィリアムの言っていることは、甘ちゃんの戯れ言にしか聞こえない。正論かもしれないが、お前に言われたくないよ・・・みたいな感じで。
しかし、これでエレノアさんが立ち直り、どうしてもウィリアム様をものにしてみせる!! とがんばったら、それこそを応援したくなってしまうのも本当だわ。意外と芯は強そうで、根性がありそうにも見えるし。
ただ、根本の部分で、悪いのは「身分制度」だ。という結論に持って行くことが出来れば、この作品のテーマとしては成功なんじゃないかと思う。
ウィリアムの甘さを見ているとあんまりそういう風に見えないところが、難ではあるが、貴族の奥さんやお坊ちゃんの気まぐれに振り回されているエマさんが、気の毒に見えるのは確かだから・・・。
「社交界」というのも、どうやらとんでもない世界だよなあ・・・と思って、なんだかうんざりするしね・・・。