星の原休憩所

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「FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン」 広瀬隆

小説・一般21.「FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン」 広瀬隆 朝日新書

良書。非常にわかりやすい説得力のある文章で、原発がいかに地震に対してもろい建造物であるのか、日本が地震の活動期に入ったこと、日本国内にあるどの原発も巨大地震の危険にさらされていることを教えてくれました。これが事実なら、明日にも巨大地震が起きて、原発が次々と致命的な打撃を受けて、日本全土が放射能に覆われて、国が滅びるかも知れないと、そこまで考えて空恐ろしくなりました。これが杞憂ならいいんですが。

ただ、思うのは、電源が破損して、冷却水が回らなくなった。ただそれだけのことから始まっても、これだけの規模の事故になり、放射能が漏れ出て、作業員や地域の人々に対して被爆の被害を与えるような危険な構造物は、やはりこの地球上から完全に消し去らなきゃいけないと言うことです。

原発を止めても停電は起こらないと広瀬さんは言うし、電力という国民の重要な生命線を電力会社がただ独占しているのはやはりおかしいと私でも思う。こんな危険な建造物に頼らなくても、安全な電気供給が出来る道があるのなら、私はそちらを支持したい。つくづくそう思いました。