映画5.ルイ・レテリエ監督 「インクレディブル・ハルク」 (アメリカ・2008)
「超人ハルク」のタイトル名は、聞いたことがあるかな? 程度で、どんな話かは全然知らなかった。こんなに悲壮感のある辛い物語だったとは思わなくて、見てみて、びっくりした。
こんな運命を背負うには、主人公がいい人すぎるというか。こんなにいい人だから、なんとか助けてあげたいと、なんとかならないの? と思いながら、物語を追いかけた。気分は、あのヒロインのお姉さんですよ。だって、かわいそうじゃん?
基本的には、モンスターテーマの物語なんでしょうね。実験に失敗して、怪物化してしまって、もう、もとには戻れない。追われて、逃げて、隠れて、を繰り返すしかないし、僅かな希望にかけて、助かる見込みを追い求めて、動く。
この間見た「キャプテン・アメリカ」の世界観とつながっているらしいし、設定自体は、大体同じパターンなんだけれど、「ハルク」の方が、主人公の辛さがモロに伝わってきた感じがする。
映画として、見ごたえがあったのは、前半にかなり時間を割いて描かれたブラジルのまちなかのシーンかな。山岳地帯に重なり合うように建築物が詰め込まれている街の光景が、世界の広さを痛感させられたというか。あんまりブラジルが舞台の作品って、そういえば、見たことがなかったなあ。と気づいたので。そういうのを垣間見せてくれるのも、やっぱ、助かります。
最近、いろいろ展開しているマーベル映画は、みんな世界観が同じで、つながっているらしいんだけれど、この作品は、そのシリーズのかなり初期に作られたものらしいので、どれから見ればいいの? という人に、入り口として勧めてもいいかもしれない。その代わり、ハマったら、蟻地獄ですよ? 次から次へと、見たくなるかもしれないから、覚悟の上で。