星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

宮崎駿監督 「君たちはどう生きるか」

映画12.宮崎駿監督 「君たちはどう生きるか」(2023・日本)

109シネマズ湘南にてIMAXレーザー版を見てきました。

非常に面白かった。素晴らしかったです。宮崎駿の集大成と呼ばれるわけもわかります。

個人的に気に入ったのは、主人公の少年に傷をもたせたことですね。物理的な傷だけじゃなく、心に傷を持っているという。

パヤオの作品って、大体、主人公が優等生で、礼儀正しく、挨拶もしっかりしていて、いい子だし、この主人公もそうなんだけど、今回のこの子は、きちんと礼を尽くすその心の内側に傷があるっていうのがポイント高いですよ。辛さや悲しみを押し隠して、過ごしているっていうのがにじみ出ていて。今までの作品にはなかった要素だと思いました。

そういう心に傷を持つ子どもたちが、異世界に行く物語っていうのは、児童文学ファンタジーの王道だし、これも、その典型を外してなくて、そうそう、本来、ファンタジーっていうのはこうあるべき!! と、一生懸命、頷いてしまった。

不思議な国のアリスでは、ウサギが異世界に導くけど、ここではアオサギアオサギのおっさんっていうのも、面白いと思いました。

心に傷を持っていたから、彼は異世界に招かれた。入る資格を得たのかな? とか、母親が姉妹ということは、あのお父さんとの結婚は、政略結婚の意味もあるのか? 女性たちの方は、必ずしも、あの父親を好いてはいないんじゃないか?とか。

夏子が大嫌いと叫んだのは、眞人に向かって、というよりは、その向こう側にいる父親に対してなのか? 姉である母親に対してなのか? そういうことを、つらつらと考えてしまいました。